【レポート】TBBビットコインに挑む起業家とプロ 〜 TBB Entrepreneurs & professional Talk〜
2025年秋、東京・四谷で開催された「Tokyo Bitcoin Base」の特別イベントでは、海外のビットコイン業界を牽引する3名の登壇者が集結。日本におけるビットコイン文化の深化と国際的な連携をテーマに、それぞれの立場から最新の取り組みと展望を語りました。

登壇者① André Neves(Zebedee共同創業者)
Zebedee共同創業者のアンドレ・ネベス氏(André Neves)は、長年日本のビットコイン・コミュニティに関心を寄せてきた人物であり、今回が初来日。彼の企業Zebedeeは、ゲーム業界向けのビットコイン決済基盤を提供し、世界70名規模の国際チームへと成長しています。
ネベス氏は、Lightningネットワークによって実現される“遊びながら稼ぐ経済”を紹介。1サトシ単位の即時送金が可能になったことで、プレイヤーがゲーム内で得た成果を現実の報酬として受け取れるようになったと語りました。また、AppleがZebedeeの初期作品「Sarutobi」でビットコイン決済を承認したことを「11年越しの夢」と表現し、ゲーム産業の新しい可能性に期待を寄せました。

登壇者② Brianna Honkawa d’Estries(Evento創業者)
イベントプラットフォームEventoを手掛けるブリアンナ・ホンカワ・デストリーズ氏(Brianna Honkawa d’Estries)は、「ビットコインと女性のエンパワーメント」をテーマに登壇。Eventoは、ビットコインのライトニングネットワークを活用した無料のイベントプラットフォームです。
コミュニティが自由にイベントを企画し、意義のあるつながりを生み出すことを目指しています。
イベントページの作成や参加登録(RSVP)の管理、ゲストとの交流を簡単に行えるツールを備えており、「自由を支えるテクノロジー」によってそれを実現しています。
ホンカワ氏は、世界の“銀行口座を持たない人”の多くが女性である点を指摘し、「ビットコインは、経済的自由への道を開き、あらゆる抑圧からの解放を可能にします。」と強調。また彼女は、Eventoが内蔵型ビットコインウォレットを統合中であり、まもなくユーザーがNostrアカウントを連携できるようになることも共有しました。これにより、コミュニティ・アイデンティティ・オープンテクノロジーのつながりがさらに強化されると述べました。彼女の講演は、自由で公平な社会を築くための具体的ビジョンとして高く評価されました。
登壇者③ Michael Rihani(Coinbase/Head of Lightning)
マイケル・リハーニ氏(Michael Rihani)は、は、Coinbaseでプロダクトディレクター(金融サービス部門)を担当する責任者として登壇。「法定通貨は欠陥のあるプロダクトであり、ビットコインは生存のための手段」と断言し、特に新興国での実需拡大に焦点を当てました。
Cash Appではデビットカード利用時の「おつり自動ビットコイン変換」機能を開発し、Coinbaseでは最大4%のビットコイン還元を受けられるビットコイン報酬付きクレジットカードを導入。さらに、ビットコイン誕生を象徴する「ジェネシス・ブロック」の刻印を施したカードデザインも公開され、会場の注目を集めました。リハーニ氏は「企業も個人もビットコインを保有すべき」と強調し、Coinbaseが週次購入を続けTeslaの保有量を上回ったことを明かしました。
TBBからのお知らせ
会場では、コワーキングエリアに加えて今後開設予定のコリビング型ホテルの詳細が発表されました。ホテルにはファミリー向け客室やバー、ジムを併設し、Bitcoin Conference 2025期間中のプレオープン、正式なグランドオープンは翌年秋を予定しています。
また、11月24日開催の「BTC Japan 2025」および、前日23日の開発者向けイベント「Dev Day:BUIDL」の開催告知もありました。これらはイタリア・トスカーナで行われた「Tuscany Lightning Summit」に続く国際的取り組みであり、開発者とビルダーの交流促進が期待されています。
